不動産売却における「負動産」とは?相続放棄や処分方法について解説
この記事のハイライト
●所有していることで利益が得られず、固定資産税などの費用だけがかかる不動産を「負動産」と表現することがある
●相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄する必要があるため、負動産だけを放棄することはできない
●なるべく早く負動産を売却したいのであれば、不動産会社による買取を検討すると良い
活用する方法がわからない不動産を相続することになり、お困りの方は多くいらっしゃいます。
不動産は所有しているだけで固定資産税や管理のための費用がかかり負担となるため、利益を生まずマイナスの価値としてみなされる不動産のことを「負動産」と呼ぶことがあります。
この記事では、不動産売却における負動産とはなにかと、相続放棄について、また、負動産を処分する方法も解説いたします。
岡山県倉敷市や都窪郡早島町、総社市の負動産でお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。
不動産売却における負動産とは
まず、負動産とはなにかについてご説明いたします。
負動産とは資産性のない不動産のこと
一般的な「不動産」は、住居として住む、または賃貸物件として貸し出すなど、活用することで利益を生みだします。
それに対して「負動産」と呼ばれるものは、利益を生み出さず、資産性がないものです。
具体的には次のような不動産が負動産として扱われることが多いようです。
1:リゾート地の別荘・マンション
2:空室の多い賃貸物件
3:相続した空き家や農地
バブルの時代に人気が高かったリゾート地の別荘やマンションの大多数は、現在価格が暴落しています。
交通の便も悪いことが多く、買い手や借り手を見つけるのは困難ですが、維持管理費は支払い続けなければいけません。
また、賃貸物件は入居率が高ければ家賃収入により利益が得られますが、空室が多ければ収入は減ってしまいます。
賃貸物件の購入費などをローンで支払っている場合は赤字経営となり、所有しているだけで出費がかさみ、金銭的な負担となります。
さらに、近年は空き家の増加が社会問題となっています。
相続した空き家を利用しないからといって放置し続ければ、建物が損傷し庭は荒れて近隣住民とのトラブルになることも珍しくありません。
空き家は火災や建物の倒壊などのリスクも高く、管理に手間と費用がかかるため、「負動産」と呼ばれることが多いです。
負動産に支払う固定資産税
不動産を利用していなくても、所有しているだけで毎年固定資産税を納める必要があります。
固定資産税はその不動産の評価額によって決まるため、評価額が低い不動産であれば固定資産税も安くなります。
しかし部分的な固定資産税は安くても、広大な土地であれば高額な納税額となることも多いです。
固定資産税の軽減税率の特例が適用されれば負担は軽くなりますが、それには条件があります。
農地であれば継続して耕作をし続けなければならず、空き家は適切に管理していなければ軽減税率の適用外となることもあります。
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負動産を相続放棄する際の注意点
相続財産のなかに負動産が含まれている場合、相続放棄することも可能です。
しかし、相続放棄する際には事前に知っておくべき注意点があります。
相続の開始を知ったときから3か月以内が期限
相続放棄をするには「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月」という期限が定められています。
たとえ被相続人が亡くなったのが1年前だったとしても、それを今日知ったのであれば、今日から3か月以内は相続放棄が可能です。
ただし、その間に遺品整理などで遺品を処分してしまうと、遺産に関するすべての権利と義務を無条件に受け継ぐ「単純承認」をしたことになります。
そうすると相続放棄することはできなくなるためご注意ください。
部分的な相続放棄はできない
相続放棄する際は、マイナスの財産だけでなくプラスの財産もすべて放棄することになります。
「負動産だけを相続放棄して預貯金は受け取る」など、財産の一部だけを相続放棄することはできません。
そのため、相続財産にはどのようなものがあるかをしっかりと把握し、本当に相続放棄して良いのかを冷静に判断する必要があります。
他の相続人との相談が必要
負動産を相続放棄した場合、他の相続人に負動産が相続財産として引き継がれます。
相続放棄は他の相続人の合意なくおこなうことができますが、それにより他の方に迷惑がかかることも考えられます。
親族間のトラブルを避けるためには、相続権が発生するすべての方に連絡したうえで、全員で相続放棄するのが良いでしょう。
相続放棄しても管理責任は残る
相続人全員が相続放棄した不動産は国庫に入り、固定資産税の支払い義務はなくなります。
しかし、相続放棄しても所有権はなくならず、管理責任は残ります。
建物が倒壊しないようにするための補強工事など、管理のための費用は支払う必要があります。
また、トラブルが起きた際の責任も問われることになります。
このような負担から逃れるためには、相続財産管理人を選任すると良いでしょう。
選任の申し立てに関する手続きは弁護士や司法書士に依頼するのが一般的なため、報酬を支払う必要があります。
さらに、相続財産管理人への報酬や財産管理費用が相続財産のなかから支払えないと判断された場合は、その費用を申立人が負担することになります。
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負動産を寄付や売却で処分する方法
負動産は所有しているだけで費用がかかるため、なるべく早く対処することが大切です。
ここでは負動産の処分方法について解説いたします。
処分方法1:自治体に寄付をする
自治体に負動産を寄付できる可能性もあります。
しかし自治体でもよほど利用価値のある場所でない限り、管理費用のかかる負動産を受け入れてくれることはありません。
寄付を受け付けてくれるかどうか、自治体に相談してみると良いでしょう。
処分方法2:法人に寄付をする
負動産のある場所を利用する計画がある法人であれば、その法人に寄付することができるかもしれません。
もしあなたが法人の関係者であれば、寄付を受け付けてくれる可能性は高まります。
その法人にとって価値のある場所であることが前提となるため、そうでなければ寄付を受け付けてくれることは少ないでしょう。
処分方法3:個人に寄付をする
寄付のなかでもっとも実現性の高いのが、近隣の方への寄付です。
とくに隣地の所有者であればその土地を活用しやすいため、寄付を受け入れてくれる確率も上がります。
その際、無償で譲り渡したとしても、受け取った側に贈与税が課されるということにはご注意ください。
ただし、贈与税の基礎控除110万円以下の場合は、税金の支払い義務はなくなります。
また、所有権移転の登記費用もかかります。
個人に寄付する際には贈与税と登記費用がかかることについて、事前に相手から承諾を得ておきましょう。
処分方法4:売却する
もっともシンプルでおすすめなのが、負動産を売却して現金化することです。
買い手を広く募る仲介や不動産会社による買取など、不動産売却には複数の方法があります。
「売れない」と思い込んでいた負動産でも、売り方を工夫することで売却が可能となることも多いです。
なるべく高値での売却を目指したい場合は仲介、すぐに負動産を手放したい場合は買取など、弊社ではお客様のご希望に合わせた売却プランをご提案しております。
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まとめ
不動産売却における負動産とはなにかと、相続放棄における注意点、負動産の処分方法についてご説明いたしました。
負動産は長く所有すればするほど費用がかさむため、早めに処分することをおすすめいたします。
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